『でしょ!!』
修二の背後から女性の声が聞こえた。
修二は声のする背後を振り返った。
すると、振り返った修二の目線の先には黒い髪の若い女性が微笑んで立っていた。
『あ…あ…杏菜!!』
修二は目を大きく見開き、驚きをあらわにした。
修二の目線の先にいたのは紛れもない修二の妹の杏菜だった。
『杏菜がどうして死滅島に?』
修二の頭の中はこんがらがりだした。
『フフフ』
杏菜は微笑みながら修二の横を素通りし、四季神時也のもとへ足を運んだ。
『霧雨幻十郎の血を引き継ぐ者は霧雨修二だけやなくて、霧雨杏菜もいるんやわ』
四季神時也はそう言って、不敵な笑みを見せた。


