崩れ落ちた公太は息苦しそうに砂浜に倒れた。
『公太…どうして?立ってるだけでも辛いはずのあなたが…あたしをかばうために盾になって…』
橘玲子は涙を流しながら公太に告げた。
『はぁ…はぁ…俺の寿命が来たんだ…ただそれだけだから…それだけだから…だから泣かないで…はぁ…はぁ…どうせ…脳腫瘍で死ぬんだから…だから…だから泣かないで…泣か…ないで…玲…』
公太は息を切らしながら笑顔で告げ、そして息を引き取った。
『こ、公太!!』
橘玲子は大声で泣き叫んだ。
浅い海の中に崩れ落ちている修二は、写真を握りしめる拳で海の水を悔しそうに何度も殴った。


