ズキューン!!
銃声が海岸にこだました。
浅い海の中に崩れ落ち涙を流していた修二が、銃声のした方へと顔を向けた。
その修二の目のさきに映った光景は、橘玲子をかばうように公太が小さな身体を盾にしていた。
銃弾が公太の身体に突き刺さり、口から血を吐きながら公太は足元に転がる黒ずくめが使っていた拳銃を手にした。
そして公太は瞬時に引き金を弾き、森の中のうごめく影を撃った。
森の中のうごめく影に銃弾は当たり、うごめく影は倒れた。
『くっ…』
公太は銃弾をくらった胸を押さえながら崩れ落ちた。
『公太!!』
側にいた橘玲子が目に涙を溜め声をかけた。