修二は浅い海の中で膝を着き崩れ落ちた。


そんな修二の頬を涙が伝い、海へとスーッと帰った。


グシャッと握りしめた写真を手にする修二を、小さな波が優しく慰めた。


『修二…』


そんな浅い海の中で崩れ落ちる修二を、橘玲子は見れずに目を背けた。


『修二…』


ずっと意識がもうろうとしていた公太も、霞む目で修二を見つめ呟いた。


『約束したじゃないですか…指切りしたじゃないですか…生きて下さいって…生きて下さいって…』


修二は涙を流しながら一人呟いていた。


『見つけたぞ…』


森の中から動めく影がひとつ、拳銃を構える音が聞こえた。