『ふーっ…』


修二は大きく白い息を吐き、降りしきる雨を見上げた。


近づいてくるパトカーのサイレンの音を霞ませるように、ただ修二に向かって雨は降り注いでいた。




『ん、うーん…』


修二はそっと目を開けた。


修二が目を開けると、そこは洞穴だった。


『ここは…俺は確か…うっ!!』


上半身を起こした修二の胸の辺りが痛んだ。


服の胸の部分には穴が空き、その穴からひしゃげたペンダントが顔を覗かせていた。


『確か俺…拳銃で撃たれて…。このペンダントが俺を守ってくれたのか…』


修二はひしゃげたペンダントを手に取った。