『く…くそ…逃がしたか…』
催涙弾を浴びた警察官はよろめきながら悔しがった。
『動けるもので奴らを追うんだ…追え!!追えぇぇぇ!!』
警察官は黒ずくめたちに声を荒げて命令した。
その頃…
『ここまで来たら大丈夫かなぁ?』
薄暗くなりかけている森の中で、四季神時也は足を止めた。
それに続き、公太を抱える修二や橘玲子、亮、そして相沢誠也も足を止めた。
『一体誰が催涙弾を…』
亮は疑問を口にした。
『俺さ。俺が催涙弾を巻いて、お前たちを逃がしてやったんだよ』
ふと、空から声が聞こえてきた。
修二たちが目線を上げると、目の前の太い木の太い枝に座る一人の男を見つけた。


