そんな唇を必死に噛み締める橘玲子の目から涙がこぼれ落ちた。


『貴様…』


如月純一の言葉に修二は怒りにうち奮えていた。


『秋本総理にちゃんと伝えておくよ。実の父親に消されそうになっている娘の姿は、凄く凄く惨めだったと…ハハハハ』


如月純一はそう言って、高笑いを浮かべた。


橘玲子は床に崩れ落ち、滝のように涙を落とした。


『貴様!!』


そんな橘玲子を見た修二は、手錠のかけられている両手を振り上げ、如月純一に殴り掛かろうとした。


そんな修二を目掛けて黒ずくめたちが拳銃の引き金をいっせいに弾こうとした。


『修二!!』


そんな修二の名前を亮が叫んだ。