『鍾乳洞か…』


修二は鍾乳石を見つめながら呟いた。


『な、何…?』


橘怜子はふと眉間にシワを寄せた。


『突然どうしたんだ?』


修二はそんな橘怜子を不思議に思った。


『シーッ…静かに!!』


橘怜子は右手人差し指を立て、口元に当てて告げた。


『静かにって…』


橘怜子の言葉に反応し、修二は耳を澄ました。


耳を澄ます修二たちの耳には、どこからともなく心地好い音色を奏でるようなメロディーが聞こえてきた。


『奥の方からメロディーが聞こえる…』


亮は驚きながら小さな声で呟いた。