『あの木の陰だ!!』


拳銃に弾をつめる相沢誠也の耳にそんな声が聞こえた。


『ちっ!!』


相沢誠也は拳銃を片手にまた走り出した。


『いたぞ!!』


『撃て!!』


次々と声が聞こえ、次々と銃弾が相沢誠也を襲った。


『いい加減にしろ!!』


相沢誠也は背後にいる黒ずくめたちにむかって銃を乱射した。


その時、相沢誠也は木の太い根っこに足をとられ地面に転んだ。


そしてそのまま草木の生い茂る坂を勢いよく転がった。


相沢誠也は坂を転げ落ち、気づくと北の海岸に来ていた。


『イッテ…』


相沢誠也は砂浜から立ち上がった。