向こうも何かしらの気配を感じたのか、途端に静かになり、気配を消したようだった。
修二は拳銃の引き金に指をかけ、気配を感じた方に意識を集中した。
ガサガサ…
修二の隠れる茂みの向こう側で僅かに音がした。
『いる!!』
修二は拳銃を握りしめたまま、勢いよく茂みから飛びだし、銃口を音のした方に向けた。
その銃口をむけたさきで、同じように気配を感じた相手が、同じように銃口を修二に向けていた。
『えっ!?』
修二は銃口を向ける相手を見て驚いた。
『れ、怜子!?』
修二が銃口を向けている相手は橘怜子だった。


