「僕は由梨ちゃん大好きだよ?」

彼の足下から、ひょこっと顔を覗かせる陸君。


きゅ〜ん! 可愛いっ!


「あたしも、だ〜い好き!」

「えへへっ! りょうおもいだね!」

「うん! そうだね!」


ニコッと笑いながら、そのまま彼を見上げると、そーっと顔を背けられる。



「あんたは?」

「なにが?」

「あたしのこと!」



なにがって、普通このタイミングで聞き返すか?

分かってるくせに、ムカつくなぁ。


こうなったら、無視してやる!

「陸君! お家まで駆けっこしよっか!」

「え? 駆けっこ! するする!」

彼から大切な陸君を奪い取り、あたしは陸君と駆けっこを始めた。


一人取り残されてしまった彼に、陸君は振り返りながら


「パパも、駆けっこだよ〜!」

と、叫ぶ。


その隣で、あたしはベーッ舌を出してやる。


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