「相馬君から、解約以来を受けました。 まあ、此方側からの解約の場合、解約するにしても直ぐにとはいきませんし。 お客様の言い分もありますしね?」


ようやく話しが戻ったけど、これってこれまでの経路を話さなきゃいけないのかな?

彼が言っていたけど、陸君のことは客には秘密ってなってるみたいだから、言っていいのか悩むところ。


「その前に、今回の依頼って、彼女からやないよね?」


「ああっ! 勝手に書類を見ないで下さいよ! あなた、もう此処の会社に勤めてないんですからね」


呆れながら、安藤さんから書類を奪い取った小波さん。


あ、そっか。

安藤さんは、元先輩って言っていたもんね。


「そうやけど、俺が紹介した手前気になるしなぁ」

「え? じゃあ、安藤さんが此処を?」

「そうや。 俺は関西方面で働いてたんやけど、大学時代にあいつと知り合ってな。 んで、仕事に困ってたから紹介したんやけど」


大学は関東に上京していたと話す安藤さん。

やたら話しに首を突っ込んでくるなとは思っていたけど、そういうことだったんだ。


安藤さんと彼は、元々知り合いで元同僚。


「それで、ご両親様にお話したところ、由梨様にお任せすると言われてしまいましてね。 丁度ご連絡しようと思っていたんですよ」


安藤さんが話しだすと、どうしても話しがズレるからか、小波さんは無視を決め込んだようです。

あたしとしても、今は契約の話しが最優先だし。


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