考えていることが見透かされているとしか思えない。


あたしの反応に、いちいち笑ってくださる美形なお兄様。


多分だけど、彼よりは下だと思うんだけど。


「あ、ごめんなぁ。 俺は、安藤千尋言います。 一応、相馬君の元先輩なんで」

「へぇ、安藤さんです……って、元先輩ですか?」

「はあ、まあね。 てか、なんで驚くんかな?」


あたしには聞き慣れないイントネーションに違和感を感じるよりも、別のことが気になった。

元先輩ってことは、もしかして……


「あいつより、年上…なんですか?」

「ん? 気にするとこソコ? 三コ上やけどね。 それより、立ち話しもなんやから、中へどうぞどうぞ」

「あ、どうも」


見た目からして近付き難いくらいの美形な安藤さんは、意外にもかなり気さくな人。


あたしは安藤さんに案内されるままに、初ドリームパラダイスへ潜入を果たしたのだった。


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