―――ガチャ… 電気もつけることを忘れた薄暗い部屋に、するはずのない音が響いた。 玄関からで、明らかに鍵を開ける音だった。 あれ? 今日は、帰って来ないはずじゃあ……。 もしかして泥棒(?)なんて不安は、あっという間に消え去った。 何故ならビクビクと様子をうかがっていたあたしの前に、荷物を抱えた彼が現れたから。 彼はパチンと電気をつけて、そのまま荷物も置かずにやってきた。 しかも、あたしを見下ろす表情はいつになく恐ろしい。 「お前は、探偵にでもなるつもりか?」 .