あれから15分程し、ガララと扉が開く音がした。 奴が出てきたのかも(?)と思い、電柱から顔だけを覗かせると。 「子供……」 家から飛び出して来たのは、まだあどけない小さな男の子だった。 真っ赤なリュックを背負い、サラサラな黒髪を靡かせ振り返る男の子は、家に向かって叫んだ。 「パパーッ! 早く早くぅ!」 嬉しそうにジャンプしてパパと叫ぶ男の子。 あれ? あれれ? そして、もう1人家の中から出てくる人物を見て、あたしの脳内はクェッションマークで埋め尽くされていく。 嘘……だよね? .