「ちょっと、今日は休みをもらうことにした」

「ええっ!?」


休み?

今まで一度たりとも家を空けなかった奴が?


「夕飯は作って冷蔵庫にあるから、食べる時温めろ」

「う、うん…。 明日は、帰って来るの?」

「…なんだよ。 俺がいねぇと、寂しいか」


思わず聞いてしまったことに後悔しても遅い。

あたしは見る見る顔を赤くさせ、叫んでいた。


「そんなわけないでしょ! 久しぶりに、1人を満喫できるわ!」

「そりゃ良かったな。 んじゃ、ちゃんと戸締まりしろよ」

「………」



―――――パタン…


行ってしまった。

奴がいなくなった部屋に1人で立って思う。

この家、こんなに広かったっけ?


"寂しいのか"なんて、真剣な顔して聞いてくるなんて反則だ。
寂しいかもって思っても、意地張って言えないじゃん。

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