「ねぇ、癖ってなに? てかあんたも照れたりするんだ?」


つい面白くてからかってしまう。

いつも上から目線の奴が、珍しくあたふたする今が仕返し時じゃないか!と、思ったのが間違いだった。


「――良い度胸だな、お前」


体勢を起こし、口端を吊り上げた。


目は座り気味で、形勢逆転を狙うかのように強気な笑みを浮かべていた。


―――――こ、こわっ!?



「忘れろったら忘れる…よな?」

体を仰け反らせたあたしを、「ああ?」と下から睨みあげて脅される。


あたしは、コクコクと頷くしかなかった。


だ、だって怖いんだもんっっ!

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