「…金が良いからな」 「それだけ?」 「それだけだ」 会話終了〜。 奴との会話は広がりを見せず、いつもこうしてあっさり終わる。 無口なだけなのか、ただ面倒なのか。 お金が良いというのは確かだと思う。 あたしの親のことだ、奴の時間のほとんどはあたしに使わせるくらい給料を出させてるんだろう。 納得してなかったら、毎日此処に留まるなんてしないだろうし? それにしても、理由は本当にそれだけなのかな? 何かある。 そう思ってしまう。 あたしの好奇心が、ウズウズと動いていた――――― .