恋の相手は俺様王子!?



「あのなぁ…。 嫌だ嫌いだで、何でも通ると思うな」


はあと呆れて出た溜め息に、あたしはウッと言葉を詰まらせた。

確かに、それは一理ある。


「覚える気がないやつに教える程、俺はお人好しじゃねぇから」


奴はそう言うと、1人でさっさと調理を進めてしまう。

隅に追いやられてしまったあたしは、奴の手際の良い調理裁きに釘付けになると同時に


なにしてんだろ……。


と、情けなくなった。


奴を派遣した親も、奴自身も見返したくて頑張ろうとしたのは、他でもないあたし自身なのに。


"嫌だ嫌いだが通ると思うな"


その言葉が、グサリと矢になって突き刺さっていた。


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