ハッキリ宣言しようじゃないの。

私は、バカにされるのが嫌いだと今わかった。


今まで誰からも愛されて育ったお嬢様暮らしだったから、気づかなかった。


バカにされる扱いというものが、こんなにムカつくなんて!


少女漫画は嘘をついていたんだ。


俺様なんて、ちっとも魅力的なんかじゃない。


鼻息荒く、彼を無視して食事をしようとした私は一瞬にして怒りは吹っ飛んだ。



「す、凄い……」


どうせ野蛮人が作った料理だから、それ程期待してなかったのに、テーブルに並べられた料理はフランス料理店ばりの高級感を漂わせている。


音にするなら、キラキラ?


そんなことはどうだっていい。

「これ、本当にあなたが作ったの?」


私の実家は専属シェフがいて、和洋中と毎日隙のない料理が出されていたから目も舌を人一倍超えている。


そんな私の目を、まず彼の料理は魅力してくれた。


「俺じゃなきゃ、誰が作るんだ」

確かに。


大好物なハンバーグにナイフを通すと、期待通りの肉汁がジュワァと溢れ、これもまた感激。

市販のハンバーグみたいに、パサパサで固いハンバーグじゃない。


期待に胸を踊らせながら、一口サイズに切ったハンバーグを口の中へと運んだ。


すると、口の中には肉汁がジュワァと溢れ、肉の甘みとデミグラスソースが絶妙に混ざり合って美味しい。


癪だけど………


「おいしい…です」

「………」


反抗的な私が褒めたのが意外だったのか、彼は目を見開いた。



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