「なぁお前、俺のこと嫌いなん?」



うなだれたままの横顔で、突然ぽつりと呟く勇将先輩。



「なんで?」



突然勇将先輩がそんなこと聞いてくるから、私もビックリした。



「だって、からかわれたとき、嫌そうにしたやん…。」



それは…先輩がちょっと困った顔してたから。



「そんなことないっす。…ただ、私、分かんないんすよ。」



「わかんないって?」



先輩はまた、あの低く、甘い声で囁く。



私の体の芯はとろりと溶かされるそんな感覚。



この声は私を狂わす。



だけど、好き。