「気ー良。」



凛の話が長くなるだろうと悟った私はなんとか話を止める。



「ほら、人のことより自分のこと喜びなよ。」



「う、ん…。」



凜は納得いかないという顔で私を見たが、気づかないふりをして自分の席についた。



机に伏せて目を閉じると、昨日の勇将先輩の低く甘い声が私の体を支配する。



「特別やから、やで。」



その言葉と、少し頬を染め細い眉毛をハの字にした笑顔が浮かんだ。



ドキンドキン、と心臓が波打つ。



私から溢れる、意味不明な甘くて痛い血液と感情。