勇将先輩の甘い…



ストロベリーよりも甘い声が、私の耳元を支配する。



「気良にとって、俺は特別…?」



そんな声で囁かれたら頷くことしかできない。



私は思考能力の働かない頭を、縦に振った。



「ほんま?」



勇将先輩が私の顔をじっと見つめる。



「先輩、顔近いっす…。」



私は多分真っ赤な顔をしているだろう。



夕日で染まっていてもこの距離じゃバレてしまう。



「きら…。そんな顔するなや。」



勇将先輩も顔を真っ赤にしてふいっと離れた。