【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-

軽くと言っても、龍太郎の重いボールを返球するのは辛い。



「龍太郎!コントロールして!」



「んなこと言われて…もっ!」



返ってきたボールはやっぱり重たくてグリップを握る手首が痺れる。



「気良はさぁ…っふ!」



「なにぃ…はっ」



「気良は、勇将さんをどんな風に思ってる〜?」



ラリーをしながら途切れ途切れで会話をする。



「どんなって…っ!友達とは少し違う大切な人間、かな。」



言いながら思った。



勇将先輩は、私の中で友達とは違う大切な人間。



こんな風に人に感じるのは、生まれて初めてだ。