「ちょぉぉぉっとまったぁ!」



龍太郎が息を荒げたまま大声を出した。



「きらっ!これ。」



龍太郎が私に色紙を渡した。



「クラスの皆から、集めたんだ!…ギリギリセーフで間に合った。」



龍太郎はこれを集めるために遅れて来たんだ。



「ありがとう。」



私は本当に泣く寸前だった。



「それと、ほれ!借りてたから返すよ!」



龍太郎が後ろにいた勇将先輩を押し出した。



「俺、ギリギリまで送るわ。」



「はい。」



勇将先輩は、私の手荷物を担いで歩き出した。



勇将先輩のいつもの何気ない優しさに、少し微笑みながら後を追った。