「水臭いこと言うなよ!俺達、なんつか、仲間じゃん?」



「紅先輩…。」



私は紅先輩の言葉に鼻の奥がツーンとする。



「それにしても勇将も龍太郎も遅いな。」



俊さんは時計を見て呟いた。



私の見送りに二人は来ていなかった。



勇将先輩は昨日の今日だし、ちょっと会うのが気恥ずかしいから、これで良かったのかもな。



『中国行き、〇Χ便に乗る方は…』



無情にも、機内アナウンスが流れた。



「じゃ、行くわ。」



私は前を向いた。



……バタバタバタ!



その直後、後ろから凄く急いだ音が聞こえてきた。