一年、か。



「時間が経つのって早いもんすね。」



「せやなぁ。でも、時間がこんなにも早く感じるようになったのは、気良のお陰や。」



勇将先輩が穏やかなスピードで私の髪の毛を撫でる。



「私こそ、勇将先輩のお陰で、楽しい時間が過ごせました。」



私が答えると、勇将先輩が私のオデコにキスを落とした。



「やっと笑った。」



唇を離して嬉しそうに私の髪をわしゃわしゃする姿に胸がキュンとした。



「先輩、ありがとう。」



「ん?なんや、急に。」



「勇将先輩は私に沢山の気持ちをくれたっす。だから。」



私は今まで口に出せなかった感謝の気持ちを、先輩にそっと伝えた。