ちびっ子がボールを落とし、ツツーっとフェンス越しに私の方へボールが転がる。



「お〜!気良ぁ!」



ボールを拾いに来た龍太郎が長い腕をブンブン振った。



私はフェンスにあるドアを開き、コート内へ入る。



「ここ、うちの父さんのコートなんだけど、なんでいるの?」



「ああ、ルカ…俺の甥っ子のお守りをピヨと二人でしてたんだけど、あいつがコートに釘づけになっててな。」



龍太郎はクスクス笑いながらちびっ子の方を向いた。



ちびっ子はピヨと手を繋ぎ私達の方へ来ている。



「ルカ、僕達の友達の気良だよ。挨拶しなさい。」



「あい!金森琉嘉でっす!よろしく気良ちゃん!」



くりくりのキラキラしたオパールみたいな瞳が可愛いちびっ子。



龍太郎の甥っ子ってだけにやっぱり美形だな。