私達は、それぞれの道に向かって走り出した。



勇将先輩は『介護福祉士』への道。



私は『卓球のプロ』への道。



だけど、あと少し…あと、少しだけ。



二人で寄り道しても…バチは当たりませんよね…?



勇将先輩の温もりに包まれながらそっと瞼を閉じた。



瞳の奥から出そうな涙を、そっと…蓋を閉じるように。



この温もりが傍にあるのは、もう当たり前じゃなくなるんだ。



だから少しでも……。