いつになく動揺している私に更に冷静な先輩。



「当たり前やん。3年生の間ではかなりの噂。」



私の気苦労って、一体…



「…黙っていたこと、怒らないんすか?」



「俺が受験勉強集中できるように言われへんかったんやろ?」



勇将先輩の言葉に私は頷くしか出来なかった。



「だから、ええよ。気良の夢やから、俺は口出しでけへん。」



勇将先輩は私の腰を更に強く抱きしめた。



抱きしめた勇将先輩の左手が、微かに震えていた。



「…応援してるから、今だけは、傍に居てや。」



「…はい。」



私は勇将先輩の肩に頭を寄せた。