屋上には、もちろん誰もいなく、秋の風が冷たく痛い。



「見てみい、人が大きな光を中心に集う姿。なんや、不思議な感じやでな。」



勇将先輩の言葉に、私も屋上から校庭を見た。



「人はこうやって寄り添って光を求めな生きて行かれん弱い生き物や。せやけど、暗くても、誰かがおれば心強くなれる。」



「うん。」



私はただ、静かに勇将先輩と流れる時間を共にした。



だけど、こうやって二人で寄り添っている時間との別れは、刻一刻と迫っていたのだ。