「勇将先輩、いつ楽器の練習してたんすか?」



「ああ…昼休みになぁ。ちょっとやってん。」



勇将先輩は恥ずかしそうに頭を掻いて笑う。



「そうや、気良、少しだけ抜け出そか?」



「えっ?あ。」



突然子供っぽい笑顔になった先輩は私を引っ張り校舎の非常口へ向かう。



そして、屋上へ繋がる梯のある通路の中へ入って行ってしまった。



こうなれば、私もついて行くしかないか…。



私も梯を上り、屋上へと体を出した。