でも勇将先輩が必死にはぐらかすので、私は途中で諦めて黙った。



「なぁ、ちょっと寄り道してもええか?」



「寄り道?」



私の問いに首が微かに動く。



後ろ髪から先輩の爽やかなシャンプーの香りが漂った。



「せや、見せたいもんあるねん。」



「いいっすよ。別に。」



私が返事をすると、勇将先輩はUターンしてバイクを走らせた。




















しばらく走ったらバイクが停まった。



「ここって…。」



「うん。海や。」



勇将先輩が私を連れてきた場所は海だった。