「気良は、俺だけに想われたらええんやし。」



勇将先輩は拗ねたように言った。



もしかして…。



「私を独占したいんすか?」



勇将先輩が真っ赤になった。



「当たり前やろ。もう、絶対気良のこと離さへんし。」



勇将先輩は私を引っ張ったまま歩き始めた。



先輩は歩きながら電話をする。



「勇将、先輩?」



「気良、今日は俺ん家に一緒に帰るで。」



……。



「はぁ?」



いきなりそんなこと言われても…。



「心配せんでも、さっき気良パパから許可貰ったから。」



勇将先輩は嬉しそうに携帯を左右に振った。