「その腐った僕を救ったのが、芹澤先輩だったんだ。」



日和が嬉しそうに笑う。



「最初はウザったい風紀委員くらいにしか思ってなかったけど、僕をテニス部員として迎えてくれたんだ。


僕、先輩や仲間やテニスのお陰でここまで真面目になれたんだよ。」



「たまに腹黒いけどなっ!」



龍太郎の一言に、日和は困った顔で笑った。



「じゃあ、テニスは高校から始めてレギュラーに?」



「うん。大変だったけどね。」



相当な努力だったんだろうなぁ…。



私は努力家な『柊日和』という男を尊敬した。



「ところで勇将さん、奴ら、どうしました?」



龍太郎が思い出したように話題を振る。