勇将先輩の姿が見えなくなり、日和がいつもの眼鏡を嵌める。



「日和、喧嘩強いんだね。」



私がいうと日和が目をぎょっとひんむいた。



「知らないの…?」



「はぁ?何を?」



私が首を傾げると龍太郎が話に入ってくる。



「あれ?知らねーの!?コイツが伝説のヤンキー『五十人斬りの柊』って呼ばれてんの!」



「ちょっ!龍太郎、それは一年前の話で…。」



日和が慌てて龍太郎の口を抑え、訂正する。



「さあ?聞いたこともない。私は今の日和しか知らないもん。」



一年前なんて興味もない。