「って、安心したらあかんやん!…気良、怖かったな。」



勇将先輩は優しく私を撫でた。



「ふがいない。俺が傍におれたらこない怖い目に合わせんで済んだのに。」



勇将先輩は優しく私を自分の腕で包み込む。



私はその温もりに縋るように瞳を閉じた。



「ってか、熱々でやんの。」



そうしていると、突然後ろから声をかけられる。



「龍太郎、気良を助けてくれてありがとう。」



勇将先輩はふわっと笑った。



「や、いいっすよ。でも、次気良に何かあって勇将さんが助けられなかったら、気良は俺がもらいますから。」



龍太郎が悪戯っ子みたいに笑った。



「重々承知しております。」



勇将先輩がひくひく笑いながら答えた。