【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-

他の男とはおそらく龍太郎のことを言っているのだろう。



「龍太郎は私の大事な友達だ。向こうも、私を女として見ていないし。」



私はそう言い残し車から降りた。



「…俺には、あの龍太郎君が気良を"女"として見ていたように見えたけどな。」



兄ちゃんの一言は聞こえたが、聞こえないふりをして私は家に入った。



まさか龍太郎が…ナイナイ。



私はその夜姉ちゃんが部屋に来てくれたので二人で喋った。



姉ちゃんは今日のことは避けて話してくれて、勇将先輩との出会いとか、テニス部レギュラーのこととかを話したりした。


その日の夜は、最後まで寝なかった。