「そうか?そりゃどうも、おおきに。」



勇将先輩は頭を掻きながら少し照れた仕種をする。



「でも、前に出るのがあんまりスムーズじゃなかったっすね。」



私が思ったことを口にすると勇将先輩はビックリしたかのように目を開いた。



「よう分かったな。お前、テニス出来んのか?」



「父が元テニスプロなんで週二回は無理矢理打たされます。」



これは事実。



私は小さい頃から無理矢理テニスをさせられてた。



だが、小5の夏に母と卓球をしてから卓球にのめり込み今ではテニスは趣味程度となっている。



「ほんなら、俺と打とうや!」



勇将先輩はまるで小さな子供のように目を輝かせて言ってきた。