【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-

「これは勇将さんには秘密にしとくから。」



「悪い…。」



私が一言言うと、龍太郎がニカっと笑った。



「もっと可愛くお礼言えないのかよ!」



「うっさい。」



きっと、龍太郎が憎まれ口を叩くときは、私の気を楽にしようとしてるとき。



だから、サンキュー。



私はお礼の意を込めて殴られた頬が痛くない限り笑う。



龍太郎はぽかんと口を開いた後、顔を真っ赤にして目を反らした。



「龍太郎?」



「あーもー!話しかけるなっ!俺の意志が鈍る。」



…やっぱり、男って分かんねー。