【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-


私の意識はそこまでで途切れ、目の前が真っ暗になった。



…………。



「…ん。」



遠くで、バイオリンの音が聞こえてくる。



私は重たい瞼を無理矢理開いて周りを確認する。



白い蛍光灯。音楽室みたいな分厚い壁。



「気良?…良かったぁ!気がついた。」



そう言って私の右手をギュッと掴むごつごつした掌。



「りゅ、たろー?」



はっきりしてきた意識の先に見えたのは、泣きそうな龍太郎の顔。



「ビックリしたよ。公園でヤンキーが喧嘩してると思ったら、お前が乱暴されてたから。」



龍太郎に言われ、さっきまでのことがフラッシュバックしてきた。