電話が切れた後、すぐに勇将先輩がやって来る。



「よ。」



軽く手を挙げる勇将先輩の右手の小指のサイドは黒ずんでいる。



それが、先輩がさっきまで課外で頑張っていた証拠だ。



「ほら、二人もこの努力を見習いなさい。」



勇将先輩の右手をガシっと掴んで私は二人に見せた。



「こら気良、人には向き不向きがあるんやから。…ほんま、スパルタやなぁ。」



勇将先輩の一言に、二年生コンビがげらげら笑い始めた。