夏休みも中盤に差し掛かった。



先輩達三年生は引退し、部長の芹澤さんはその座を正式に日和に明け渡した。



「あーあ!なんでピヨが部長で俺が副部ー?」



龍太郎は冗談混じりな声で言った。



「そりゃ、僕が龍太郎より強いから。」



日和もわざと冗談のように言いながら、眼鏡をくいっと上げる。



「うわ〜、なんかインテリ坊ちゃんみたいでムカつく!」



二人はいつものようにじゃれ始めた。