日和が追いかけたボールは、芹澤さんのコートに転がった。



「バーカ。やれば出来るじゃねえかよ。」



ネットを乗り越えて倒れた日和を支える芹澤さん。



「…当たり前、じゃないですか。誰が僕にテニスを教えたんです?」



「それもそうだ。」



芹澤さんは凄く楽しそうな声で言い、立ち上がった。



「ったく、龍太郎はともかく、あとの連中はいつの間に来たんだ。」



ぐったりしている日和に肩を貸しながら振り返った芹澤さん。



ってか、『連中』?