「取れ!追いかけろ!がむしゃらになれ!」



「そんなことっ…!!言われなくても!」



さっきみたいにベースラインぎりぎりからのドロップショット。



さっきは諦めたボール。



この短時間できっと日和の中の何かが変わったんだと思う。



「おぉぉぉぉ!!」



今まで冷静で、紳士的な日和しか見たことなくて、ビックリした。



「すっげえ…。」



龍太郎の瞳から、スーっと優しい涙が流れた。