「なんで、あんなに厳しくこんな雨の中、戦う必要があるの?」



私の疑問に、龍太郎はふっと笑った。



「女には分かんねぇよな。俊さんは、仲間を想うプライドで動いている。」



今までにない真剣な双眼で二人を見守る龍太郎。



私には、良く分からない。



「…それに、日和には『闘志』が少し欠けてるから。俊さんは多分、その闘志に火を点けたいんだ。」



闘志…か。



確かに日和は、冷静過ぎてがむしゃらさを知らない。



それ故、負けても悔しいと言うよりは、負けた自分を分析しているようだ。



強い人は、時に思考回路なんか焼け焦がすくらいの勝ちへのこだわりが必要。



父に教えられていた私も、日和に闘志が足りないのは何となく、分かってた。