雀の鳴き声で私は起きた。時計を見れば既に八時は回っている。


ヤバい。遅刻だ。


いつもならお母さんが起こしてくれるのに。


愚痴ってみるけど今はそれどころじゃない。急いで制服に着替えて台所へ。


……誰もいない。


今日は早出だったのか?


疑問はあったが、それよりも今は時間の方がヤバい。


飛び出すように家を出て、学校まで全力疾走。


……。


不思議な違和感を感じながらも、なんとか学校に辿り着いた。ギリギリセーフだ。


息を切らせながら教室へと向かう。


……おかしい。人の気配がない。


そういえば来る途中も誰にも会わなかった。


偶然?


嫌な予感を携えて私は自分の教室へと足を踏み入れる。


瞬間、身の毛がよだった。


皆の机の上に……。


「タコさんウインナー……」


誰もいない。


いるのはタコさんウインナーだけ。


理解した。これは、呪い。


奴の、呪い。


きっと世界にもう人間はいない。


全て、タコさんウインナー。


「愚かな……」


背後から、声がした。


恐る恐る、振り向くと……。




ー了ー