どれくらいの時間が経ったのだろうか。 だんだんと太陽が姿を現し、俺達を照らしていく。 「…桃、遼平っ………!!」 「頑張って…」 出産が難航しているのだろうか。 遼平のご両親や、桃ちゃんの家族が手を擦り合わせ始めた。 きっと、不安なんだな。 二人と、産まれてくる赤ちゃんが。 「頑張れ、桃ちゃん…」 俺がそう呟いた瞬間、 「オギャーッ…!!」 分娩室から、新しい命の叫びが聞こえた――― .