とんでもないモノを拾ってしまった。

学校へと向かう自身の心は、ただそれのみに気を取られていた。

何度も繰り返された登校するという行為は、悩み事が他にあっても滞る事なくなされる。

ルシは…猫になって自身の肩に乗っていた。

来るなと言ったが聞き入れられず、真っ裸の男は連れて行けないと言うと、猫になり、自身の肩に乗り、そこから動こうとしなかった。

「私服の学校なんだな」とか、「自転車登校か、エコだな」とか、「帰りに俺様の服を買え」とか、ルシは色々五月蝿かった。

自身が呆れて「猫は喋らないで下さい」と言うと、「お前以外には"にゃーにゃー"しか聞こえてねーよ」と言っていたので、それを信じてそのまま無視して、学校に着いた。

今日一日、コイツに悩まされるのだろうかと思うと頭が痛い。

クラスメイトと挨拶を交わし、席につく。何故か肩の猫については突っ込みがない。

不思議に思いながらも、一限目の授業の用意をした。