自身は台所に立ち、食器棚代わりのワイヤーの籠(カゴ)から、皿を3枚取り出す。

同じモノが揃っているのは、この皿だけだ。

一人暮らしだったので、食器はそれ程無い。

大体各種1つずつのみだ。

お盆に、皿に乗せたケーキを置き、居間へと戻る。

それから、ちゃぶ台の上に、可愛らしいケーキを載せた。

この機会に、家の説明をしておく。

家は平屋で、今自身達のいる居間(和室)、自身の寝室(洋室)、客室(和室)の3部屋。

それに、台所と脱衣場つきの風呂、そしてトイレがある。

月影清掃でのバイト代+遺産で、2年前に買った。

一人で暮らしていた時は、少し広く感じていたが、ルシが居る今は丁度良い気がする。

「美味しそうなケーキだね。」

キスイは、嬉しそうに目を細めた。

意外と甘いもの好きらしい。

(スィーツ男子か…。顔の良い男は甘いもの好きが多いのか?)

やはり、自身の周りが特殊なのか…。

(そう言えば、そもそもコイツら人間でなかったな…)

二人の行動から、すっかり忘れていたけれど。